YouTuberはいくらほど稼いでいるのか?
Youtuber、Youtubeで動画を投稿し、広告料などでお金を稼ぐ人々のことをそう呼ぶ。彼ら、結構出てきて久しいですね。最近ではYoutuberは普通にいて、その中でもVtuber(3Dモデルなどを使い、バーチャルキャラとしてYoutuberのようなことをする)が話題に上がる始末。
Youtuberはもはや当たり前で、派生までし始めているわけだ。けれど、未だにそういった彼らの収益はどんなもんか不透明な部分が多い。
そこで、この辺についてちょっと僕が昔試した実際のデータを参考に考えていこう。
目次
1.実際のデータから推定
まず、ここに実際に僕が動画を投稿して10回程度再生されたときのデータを置いておく。※この当時はまだチャンネル登録者数1000ないと広告が配信されない制限はなかった。
さて、これを見ていただければわかるだろうか。
視聴回数と推定収益の関係に注目して欲しいのだが、あくまでも分かるのは当時(2017年前半)のレートでだが、10再生で0.01ドル=1円程度であることが分かる。
つまり、知名度ほぼゼロでチャンネル登録者数が皆無(当時は0人だった)でも1再生あたり0.1円の収益になっていたことになる。
基本的にはこの1再生あたり0.1円で計算すればまあ最低でもこのくらいは貰えているだろうという額が推定できるわけだ。
そして、よく巷で言われている通り、チャンネル登録者数や広告クリック数などで収益が左右されるのであれば、チャンネル登録者数が10万を超える人気のYoutuberともなればこの3~5倍は稼いでいると言っていい。
また、Youtubeの広告は「どんな広告を配信するか」を選べる。
動画の最初に流れる広告、動画の最後に流れる広告、ページの右上に張られる広告、動画の下に出るラベルのような広告、任意で動画内に挿入できる広告、などなどがある。
上記のデータを採取した際、僕は基本の種類である「動画の最初に流れる広告」と「ページの右上に張られる広告」の2種類を選択した。
もちろん、広告の量が多くなればそれだけ1再生あたりの収益も増える。けれど、広告を増やせば視聴者がうんざりして離れてしまう可能性も上がる・・・ってのは余談。
まあ、ここで言いたいのは、よくあるその2種類の広告だけでも1再生あたり0.1円が得られる程度には稼げるわけだ。
多分、多くのYoutuberも広告は基本的にこの2種類を使っているんじゃないだろうか。となると、あまり人気のないあたりで1再生0.1円、人気者だとその3~5倍程度だと考えて計算すれば、おおよその収益が計算できる。
2.変動要素について
さて、前章でも少し触れたが、収益の変動要素について書いておこう。
まあ、その他の活動とかは置いといて、純粋にYoutubeでの動画投稿における収益の変動要素については以下のような要素がある。
・チャンネル登録者数
・広告の量
・広告のクリック率
・動画広告なら一定時間以上見られた率
主には以上のような要素が挙げられる。
単純に、広告の量はそれだけ広告料が入るってこと。クリックされた率ってのは、YoutubeはGoogleAdsenseという広告を利用しているのだけれど、これの仕組み上、クリックされると余分でお金が発生するわけだ。んで、動画広告は一定時間以上見られて広告としての役割を果たした率。
そして、チャンネル登録者数ね。
全ての要素において「多ければ収益も大きくなる」ってのが言える。
え? じゃあ、全部多くしようっと!
・・・なんて考える人はいないと思うけれど、まあ、知っての通り、広告は多くすれば多くするほど視聴者に飽きられる可能性が高い。それに、クリック率や広告動画を見られる率なんて、どっかと提携して戦略的にやっていかないとできっこない。
単純に、基本の広告だけ配信しておいて、あとは面白い動画投稿してチャンネル登録者数増やして・・・って正攻法が結局は再生あたりの収益を上げるには一番いい方法だったりするのです。
そんで余談ですが、一方で違法すれすれ、ともすれば違法な動画をアップしているやつ、あれに広告がやたらめったら挿入されている理由もここから分かると思います。
つまり、稼ぎ逃げです。
絶対に伸びるような違法動画に広告をやたらといれて短期間で稼ぐだけ稼いで、そして、削除されても確定されてしまえば収益は残る・・・。そんな方法ですから、アレには広告がめちゃくちゃ入っているのです。
とはいえ、一定期間経って収益が確定される前に大抵の違法動画は削除されてしまうので、そうそう上手くはいかないようですけれどね。
3.現在のYoutube事情
現在のYoutube、Youtuberの増えすぎとかなんか問題ある動画を放置したせいでスポンサーに逃げられたとかの影響か知りませんが、目下、この事情で一番大変なのはチャンネル登録者数が1000人を越えないと広告が配信されなくなったって点でしょうな。
加えて、年間総再生時間が4000時間ないと収益化ができないようなのです。こうなってくると、いよいよ弱小Youtuberは活動できなくなってきてしまいます。
とはいえ、それは初めから収益化目的で始めたYoutuberにとってだけ。なにもYoutuberってのは楽しいからってやってれば別にこのような規制が入ったところで特に問題はないわけで。
結局、そういう人が儲かるんだよナァ・・・
とはいえ、Youtube自体が広告料の振り撒きすぎ、Youtuberの増えすぎ、そのクセ、一部スポンサーは撤退して、でこれまでのように振る舞えなくなっているのは事実。
窮地とまでは言いませんけれども、これまでよりは厳しい状況。ここらあたりで本当に広告塔として成り立つYoutuber以外の弱小Youtuberにはお金を出さずに足切りしてしまおうって魂胆なのかもしれません。
まあ、Youtuberって大半は弱小です。ピラミッド的に人気者は少ないもの。だから、弱小をキッチリ切り払うことでもYoutube的には結構な経費削減にはなるのでしょうなぁ。
日本だけ見ても結構な量の弱小さん、新参さんがいそうですけど、これが世界ともなると弱小、新参合わせてとてつもない量になるわけです。
彼らに例えば人気者Youtuberの1万分の1程度の広告料が入っていたとしましょうか。さて、弱小Youtuberは1万人以上は確実にいますよ、世界で見ればその10倍、100倍いてもおかしくない。
すると、どうでしょう。1万人の弱小Youtuberには人気者Youtuber1人分の経費が掛かっていますが、広告効果は一切ありません。だって、弱小だもの。広告塔として機能していないもの。
広告出したって、それが人気になったりするわけでもないし、目に留まる動画でもないから記憶にも残らない。そんな人の群れ1万人に人気者1人分ほどの価値もないのだから、切り捨てるのは当然と言えば当然です。
そう、これは資本主義的に非常に合理的な淘汰なのです。
そんな中でも楽しんで頑張れる人がこれからはのし上がっていけるんでしょうな。
4.ぶっちゃけ広告費だけじゃないよね
Youtuberと言えば広告費。だけじゃない。
昨今・・・というほど最近でもないけれども、Youtuberがイベントに参加したり、メディアに露出したりってことで収入を得ることも多い。
人気者Youtuberってのは再生数から推測できる収益に対して実際にはイベントとかでそれと同等、つまり、最終的には再生数から推測されるものの2倍程度の収益にはなっていると考えてもいいだろう。
あーもうなー時代ですなー。
昔はメディアへの露出と言えばテレビや雑誌からってのが基本だったけれども、今やネットこそがメディアの第一関門となっている。しかも、自発的にやろうと思えばいつでも露出ができるわけで。
そんな中で人気になるのはかなり難易度高いけど、逆に言えばテレビや雑誌に出られるような才能がなくとも、発想の転換とかでファンを獲得できれば人気になれる可能性が出てきた。・・・あ、この辺はまたメディア論的なことだし別で話そうか。
まあ、そういうわけで(どういうわけだ)、Youtube以外のメディア関連、イベント関連の収益もYoutuberにとっては大きな収入なのです。こうなってくると、儲けている金額を推測するのは困難を極める。
最初に再生数から推測される額の2倍程度と言ったが、これはあくまでも積極的にメディア露出、イベント参加した場合だと考える。中にはメディア向きでないYoutuberやあまり露出を好まないYoutuberもいるだろう。
そういったことを加味して収益を推し測らなければならない。この辺り、好みのYoutuberがどういったタイプかを考えて、再生数から算出できる基本金額に加えてみると収益が分かって面白いかも知れない。
5.まとめ
・1再生あたり0.1円を基本にして考えよう。(データで実証しているので信憑性高い)
・イベントやメディアへの露出は・・・Youtuberのタイプから推測するしかない。
以上ですね。
とはいえ、人気Youtuber、この観点から考えるととんでもない額貰ってんだよなぁ。そう考えると、弱小Youtuberへの足切りに踏み切ったYoutubeの判断もうなずける。切実だよ、きっと。
1再生あたり0.1円ってこれ、再生数とか広告効果とかから考えると、広告料としてはかなり高額だ。むしろ、これちょっとくらい下げてもバチ当たらないんじゃないかってくらい。
けれど、さすがは天下のGoogle傘下。お金が回ってるんだろうな、と僕は手元の給与明細を見てため息を漏らすのであった。
ハァ・・・(涙)