【百合漫画】完結作「2DK、Gペン、目覚まし時計」は個人的には大人を描いた百合漫画の中でも最高にほのぼのしていて雰囲気大好きなんで、感想とレビュー【2DK、Gペン、目覚まし時計】

百合が昨今はブームになっておりますが、アニメ化したものなどがメインに取り上げられているので、個人的に隠れた名作も紹介していきたいなと思います。

そこで紹介するのは完結作「2DK、Gペン、目覚まし時計」です。

これは良い百合。

百合漫画は女子高生だったりってのが主に取り上げられがちです。

学校でイベントも多いし、思春期だし、出会いも多いから恋愛的には当然。

ですが、この「2DK、Gペン、目覚まし時計」は社会人の百合漫画。

しかも、オムニバス形式が多い百合漫画界隈の中でも、ストーリーがあって、恋愛感情の機微が初めから最後まで丁寧で、ほんと、こういうとこ好き。

ストーリーのある百合漫画って、恋愛の前段階から徐々に恋愛になっていって・・・気持ちが溢れて・・・ってとこが丁寧に描かれるからほんと、好き。

さて、「2DK、Gペン、目覚まし時計」ですが、ひょんなきっかけでルームシェアすることになった漫画家を目指している(ほぼニート)とバリバリのキャリアウーマンな女性のお話です。

この二人、ほのぼのできて良いんですよ、でも、心の中は大変で・・・。

この隠れた名作を、百合漫画好きの方は絶対に読んでおくべきです!

以下、ネタバレなしで見どころとレビューです。

目次

1.ほのぼのとした日常生活の雰囲気が良い

まず、この 「2DK、Gペン、目覚まし時計」はほのぼのとした日常生活の中で百合の関係が育っていくところが良い作品です。

主人公となる香月奈々美(25)さん。

そして、同居人の藤村かえで(27)さん。

この二人がメインの百合となります。

そう、年齢を見てもお分かりの通り、二人はれっきとした社会人・・・と、思いきや

藤村かえでの方は生活能力皆無なダメダメなほぼニート

けれど、漫画家を目指して奮闘中な漫画家のたまごでもあるのです。

一方で、香月奈々美はバリバリのキャリアウーマン。

会社でも一目置かれる存在で、家では家事が大好きで仕事と同じく完璧にこなす。

そんな二人は、ひょんなことがきっかけで東京で同棲をしているのでした。

こんな二人ですから、日常生活はぐーたらなかえでをお世話する奈々美な構図ができあがっています。

頭を洗ってあげたり、料理を作ってあげたり、けれど、たまにはかえでも家事を頑張ってみたり。

そんな二人の関係がほのぼのとして可愛いんですよね。

2.登場人物が子どもじゃない、だからこそ尊い

登場人物がみんな百合漫画によくある女子高生のような子どもではない。

これがある意味でこの漫画の最大の魅力と言えます。

香月奈々美と藤村かえでは二人とも良い年の大人。

そして、そんな二人の前に現れるキャラクターたちもまた大人の女性なのです。

だからこそ、過去にした恋愛の感覚、恋愛観や、それがあるからこそ持てる今の恋愛感情ってものを持っているわけです。

そんな二人が、日常生活を通して徐々に近づいていく。

女子高生のようにキャッキャとできるわけでもない、会社もあるし、漫画もある。

家事もしなければならないし、けれど、そんな日常だからこそ二人は楽しいし、お互いに頑張らなければならないことを頑張れるのです。

高校生の部活のような熱いものがあるわけではないけれど、必要で頑張らなきゃいけないことがある大人だからこそ支え合える二人の関係。

そんな中で育まれていく二人の気持ち。

こうした女子高生とか子どもでは作られない関係性がこの漫画の最大の魅力であり、最高の尊さを引き出してくれているのです。

3.二人の感情を基盤にした悶々とするストーリー展開

この作品、なんといっても良い所はストーリーがあるところ。

百合漫画と言えば、オムニバス形式だったり、二人がイチャイチャしている日常を描いたりしている作品が多いのですけれども。

「2DK、Gペン、目覚まし時計」に関しては、日常生活を送りつつ、新たなキャラクターに振り回されたりもしつつ、しっかりと二人の感情が育っていくところに焦点を当てたストーリーがある。

これが個人的には最大の評価ポイントです。

二人の関係は、初めから恋愛感情を抱いているわけではありません。

かといって、いきなり告白してどうこうなるわけでもありません。

二人は同棲していて、初めはお互いに一緒にいて利点があるし、お互いに気も合ったので心地が良く二人で暮らしている。

そんな感じのノーマルな関係だったのです。

しかし、とあるきっかけがあって今後の人生に不安が出てきた奈々美。

そんな彼女は、ダメダメなかえでとの”期限付きの同棲”という不安定な関係がどれだけ続いていくのか、そうした部分でかえでを意識していくことになるのです。

こうしたところから展開されていく、二人のただのルームシェア相手だった関係から恋愛を徐々に意識していく様が丁寧に描かれていくストーリー。

けれど、奈々美視点で描かれる内容では、かえでの真意を測りかねたりと百合好き的には悶々とできるポイントが盛りだくさん!

完結作ですので、一気に読んでもじっくり読んでも安心して楽しめます。

百合好きな僕が自信を持っておすすめする一作、ぜひ手に取ってみてください。

まとめ買いもあるよ!