【Youtube】Youtube上でVtuberがVtuberの動画にVtuberの広告を出してVtuberが収益を受け取るという閉鎖的循環経済と化しているVtuberの今後を考えていこう

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YoutubeVtuberの動画を見よう!」

と、した時に、まあ動画ですから広告が初めに流れますよね。

その広告がVtuberの広告だったなんてことありませんか?

これを見た時には僕は衝撃を覚えましたね。

なんて閉鎖的循環経済なんだっ!

閉鎖的循環経済は僕の造語ですが、意味の詳細は下で書くとして、まあこんな記事を読みに来ている方なら字面からなんとなく想像はできるんじゃないでしょうか。

こうした閉鎖的循環経済は得てして、上り調子の間は上手く行くし、経済的にも困窮していくことはないのです。

ですが、停滞期から下降期に入り始めると踏ん張りがきかずに急転直下な顛末を迎えることが多い傾向にあるのです。

新規開拓されたコンテンツが上り調子になるとどうしたってこの閉鎖的循環に陥りがちなのもまた事実。

しかし、このままではいつか迫りくる停滞期に入った瞬間に没落してしまう可能性が非常に高い。

そんなVtuberたちに警鐘を鳴らすような形で今回の記事を書いていこう。

目次

1.Vtuberたちによる閉鎖的循環経済の構造とは!?

1-1.閉鎖的循環経済とは?

まずは閉鎖的循環経済について説明しておこう。

これはここでVtuberの現状をお話しするために作った僕なりの造語です。

この閉鎖的循環経済とは、簡単に言えば鎖国のようなもの。

今回のVtuberのようなネットコンテンツに当てはめて考えるならば・・・

・一定数のファンを一コンテンツの中で相互に渡しあっている

・関係性の薄い他コンテンツとの関りをほぼ持たない

・金銭の授受が一コンテンツ内だけで成り立ってしまっている

以上のような要素がある場合に閉鎖的循環経済と言えるのです。

要約すると、

「一コンテンツの中だけでファン、金銭が循環している」

という状態を指すものと定義していきたい。

Vtuber界隈ってのはこの閉鎖的循環経済が成り立ってしまっていると言えるのです。

1-2.Vtuber界隈の閉鎖的循環経済の実情

 Vtuber界隈の閉鎖的循環経済の実情をちょっとここで見ていこう。

・・・

まず、Vtuberが存在する。

Vtuberを見るファンによって広告費などの収益が発生する。

Vtuber関連収益のほとんどが現在Vtuber界でトップを誇る企業系Vtuberを擁している企業の懐へ入ることだろう。

そうした企業が今度はVtuberの広告を出稿するようになる。

無論、Youtubeに出稿する以上はこれに広告費が掛かる。

そうした広告をVtuberを見るファンが見ることで広告費などの収益が発生する。

(以下、ループ)

・・・

と、いうようにVtuber界隈という一コンテンツ内だけで金銭の循環が成り立っている。

広告を出すことで新たなVtuberファンが増えるという御仁もおられるだろうが、Vtuberの広告を見たことはありますか?

Vtuberの歌った歌をバックにVtuberが自らを紹介するような広告なんですよ。

いや、これが良いか悪いかの判断ではないですよ?

ただ、客観的に見て、ノリが分かっている人向けで、これは明らかに「ファン層」に対する広告にしかなり得ないと思うんですよね。

こうしたループによって閉鎖的循環経済に陥っているわけです。

1-3.Youtubeを介在させて考える閉鎖的Vtuber経済圏

 では、ここにYoutubeを介在させて視聴者と金の動きを追ってみよう。

はい、分かりやすい(お手製)図ドン☆

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これを見てお分かりだろうか?

個人勢はともかくとして、企業系Vtuberから伸びる矢印を追っていくと循環していることが見て取れると思います。

もちろん、視聴者数、ファン層が厚くなれば広告費も多くなり、事業会社はより手を広げられるだろうが、基本この構図は変わらない。

ここで上で書いた、Vtuberの広告が客観的に見てノリを分かっているファン層向けであることを加味すると、これが閉鎖的であることは分かると思う。

Vtuber特に企業系Vtuberを取り巻くこの状況では閉鎖的に循環している経済と言わざるを得ないのです。

2.閉鎖的循環経済の行く末

2-1.閉鎖的循環経済は上り調子は一気にバブルになる

では、閉鎖的循環経済の動向についてみていこう。

まず、コンテンツができてから成熟するまでの上り調子の期間。

この期間は、閉鎖的循環経済は一気にバブル景気へと成り上ります。

それはなぜか?

答えは簡単で、基本的にこの閉鎖的循環経済の上り調子期は

 お金の流入があり、流出がない状態

になるからです。

成熟するまでの上り調子の時は、コンテンツに対して人が寄り付いてくる期間。

つまり、進めば進むほど寄り付く人(ファン)が増加し、ファンが増加すれば金銭が入ってくるって状況がある。

この期間は普通であれば、他資本などにお金を使用して拡張していく期間でもあるのだけれど、そこはネットコンテンツかつ閉鎖的循環経済。

他資本にお金を使用しなくても成り立ってしまうから流出させる必要がない。

流出させる先がない結果、このコンテンツを宣伝する方向へお金を使うようになる。

そうなると、閉鎖的循環経済が完全に成立してしまうのです。

ですから、上り調子の時は「お金は入るが、出ていきづらい」って特徴が閉鎖的循環経済にはあるので、バブル景気になりやすいわけですね。

2-2.停滞期、下落期に踏ん張りが全く利かない

さて、そんなバブルになりやすい閉鎖的循環経済ですが・・・

今度は逆に成熟し終わって停滞期に入ってきますと悪い面が徐々に顔を出してきます。

本来であれば、他資本にお金を出して様々な方向へと展開を広げられるコンテンツであれば停滞期でも徐々に成長もしくは安定を手に入れられる可能性が高い。

ですが、閉鎖的循環経済の場合、上り調子が終わると同時に停滞します。

成長はまず見込めなくなってくる上に、Vtuberはネットコンテンツという客層の流動が激しいタイプのため安定しづらい傾向にある。

成長が見込めなくなってくるのは、簡単に言うと「他に手がない」からですね。

たとえば、以下のような二つの経済があったとしよう。

Aという成長中の事業のお金をAの派生A-1事業を広げるために使う

Bという成長中の事業のお金をBを宣伝するために使う

両者とも事業がずっと上り調子であれば良いが、ブームが去ったらどうだろうか?

Aは確かに上り調子での加速は少ないが、ブームが去ったときにA-1事業があるおかげで耐えしのぐことができる可能性が高まる。

しかし、Bは上り調子での加速はとても大きいが、ブームが去ったときには一気に失速して落ちるところまで落ちる可能性が高い。

つまり、BはBという手しかないからそのBが一旦停滞してしまうと全てが停滞してしまいやすく、失速時にも踏ん張りが利かない。

このBが閉鎖的循環経済のモデルであり、現在のVtuberの状況である。

2-3.このままだとヤバいっ!(焦燥)

はい、このままだとヤバいですね。

Vtuberは好きなVtuberさんもいるんで、無くなって欲しくないんですが、けれど、この閉鎖的循環経済から脱さないとちょっと生き残り難しいかなぁ~。

正直、Vtuber好き目線から見たとしても現在のVtuberの状況ってのは供給過多な割に、ファン層自体は広がっていない印象なんですよね。

複数のVtuberが同じファンを共有している状態。

新しくVtuberが出てきても企業系Vtuberは横の繋がりが強いのですぐにファンの共有ができてしまう。

できてしまうから、「まだまだ求められている」と錯覚しがちなんですよ。

ぶっちゃけ、この資本主義経済の中でファンの共有は強くもありますが、コンテンツの全体と今後を見据えた時にはあまり良い傾向ではないんです。

本来、コンテンツってのは客のために競争し合ってサービスを高めていくのが資本主義の良いところであるので、共有ってのはこの競争原理を砕く。

つまり、質の停滞を招きかねない。

Vtuberだから品質などないとお思いの方もおられるだろうけれど、ここで言いたいのは「余所から客を引っ張ってこられるだけの質(コンテンツ)」のことです。

余所から引っ張ってこられるだけの質を競争で作り出すからこそ、それは成長するのであり、ただ同じコンテンツ内で共有しているだけでは停滞と変わらないのです。

加えて、ファンの共有はより閉鎖的な空間を作り出してしまいます。

せっかく新しい方向性のVtuberが誕生したとしても、同じファン層の中で共有されていると余所から来た人は「またか」と思ってしまう。

むしろ、共有せずに「ちょっと変わった妙な奴が来た!!」ってくらいのノリで、既存のファン層からは遠巻きに眺められるレベルのものがあると面白いかな、と。

失敗しても良いんですよ、要は新しい地平を開拓してファン層を増やす挑戦をしていかなければ成長はないのですから、その点で共有はあまり得策ではないのです。

3.Vtuberがこの現状を打開するために必要なこと

3-1.Vtuber経済圏は外資と提携をして開放的になろう

Vtuberがこの閉鎖的循環経済を打開するためにまず必要なのはこちら。

外資との提携」

これは何も海外資本との提携って意味じゃないです。

Vtuberを一つの経済圏と捉えた時に、その経済圏の外と提携しようって話。

ですがこれ、Vtuberにとってはちょっと難しくて考えにくいところです。

たとえば、ゲーム実況なんかはどうでしょうか?

ゲーム実況は単にゲームを実況した動画を出すだけでなく、今では各ゲームイベントへ呼ばれたり、eスポーツの隆盛を受けて活躍したりしていますよね。

リアルへの進出、もしくはゲームの腕が高い人の流入によって新たな求心力を持ったコンテンツへと進化していっています。

ただのゲーム実況動画から、リアルなイベント、eスポーツといったコンテンツからも客層、資本を獲得していった結果の成長です。

これが外資との提携」です。

一方で、Vtuberはこれができるでしょうか?

リアルへの進出はちょっと難しいですし、ゲームの腕が高いVtuberがいたとしてもeスポーツで活躍するってのは顔出しできない事情上できません。

そう、難しいんですよ、Vtuberが手を広げるのは。

リアルへの進出が困難、顔出しできない、などなど制約が多いのでできることが限られてきます。

 しかし!

ここで諦めてはいけない。

僕はVtuberではないので思いつきませんが、何かあると思うのです。

こうした外資と提携して閉鎖的循環経済から開放的な循環経済へと向かう術が。

この辺りをなんとか模索しなければ、Vtuberの未来は暗いと考えられます。

ですが、逆に見つけてしまえば安心して見続けられるというもの。

何か一石を投じるものが欲しい、とそう思うこのごろです。