「成人」って言葉に引きずられ過ぎではないのか ~成人年齢18歳引き下げ議論~

2022年より、成人年齢が20歳から18歳に引き下げされます。

これについてさまざまな議論が生まれていますけれども、今回はこれについてちょっと語っていきましょうかね。

成人年齢ってのは「法的に単独で法律行為が行える年齢」のことです。要は、保護者などの責任でなく、一個人の責任で法律行為(契約など)を単独で行えるようになる年齢のことですな。

これが引き下げられるってんで、さまざまな議論が呼ばれているわけです。

・・・まあ、成人年齢 引き下げ」で検索しようと思ったら、「成人式」が検索窓に一番に出てくるあたり、どうかと思いましたけど。

とはいえ、若者にとって目下の問題はそれなんでしょうなぁ・・・

さて、18歳と言えば高校三年生。大人から見ればまだ子どもという印象でしょうか。それとも、もうれっきとした大人という印象でしょうか。

まあ、思春期が終わった辺り、18歳は精神的にはそれなりにできあがっていると僕は思います。

正直言って、今社会人として働いている大人の中にも精神的に子どもっぽい人は多いですし、精神的な成熟度ってのは年齢云々、働いてるから云々でどうにかなるもんでもないかと思うのです。

そこんところも含めて、以下に今議論されている部分について考えていきましょう。

 

目次

 

1.法的責任の問題

まずもって問題として挙がってるのがコレ。

法的責任能力の問題。中でも、少年法、これまでは20歳までは守られていたのだけれど、これからは18歳までしか守られなくなる可能性があるわけです。

これについては、賛否両論って感じですかね。

とはいえ、個人的には18歳と言えば、もう金銭的な部分は無理ながら、それ以外の責任を取れるものとしていいと思います。というより、責任能力は完全にあるし、刑事罰などの存在を知らないこともないでしょう。

しかし、その一方で、18歳と言えばまだ高校生で、家庭環境など自らの責任でない部分に依存している存在。であれば、そういった部分は勘案されるべきではないかということもあります。

要は、程度の問題ですな。

そして、次に契約行為について。

契約行為が単独でできるようになります。けれども、これはちょっと怖い部分もありますね。

悪質な契約などに巻き込まれた際、18歳の高校生であればまだ保護者による無効化ができましたが、これからはそうはいかなくなってくるかもしれないのです。

18歳の高校生では、まだ金銭的にどうこうできる年齢ではないわけです。ですけれど、思春期が終わるか終わらないかの段階で、精神的に不安定である人もいる。

その段階から、保護者によるセーフティネットがなくなってしまうのはちょっと頂けないかなと思います。

 

2.飲酒、喫煙について

さて、次に飲酒と喫煙の年齢についてです。

これ、まあ成人年齢とはまた別なのですが・・・議論されていますね。

18歳となると大学生となり、お酒やたばこと触れる機会も多くなる。それに、もうそれくらいの判断はできる年齢だから18歳にしてもいいんじゃないかと。

個人的にはこれは20歳据え置きでいいんじゃないかと思いますけども。

成人って言葉に引きずられて、じゃあ、「成人なんだから」という言い方で片づけてしまうのは安直だと思います。意味を考えるべきですよ。

18歳、つまり高校生の段階で酒、喫煙を許可した場合、まあ学校の風紀が乱れる可能性がありますよね。これについては、想像に難くないと言うか・・・。

もちろん、良識のある18歳であればいいのですけれど、そうじゃない場合が往々にしてありますからね、20歳でも同様なのですから。そうなると、より低年齢層に対して酒や喫煙が進んでしまう可能性がある

現状だって、未成年者の飲酒や喫煙を抑え切れていないのですから、合法の年齢が下がって、更に高校生という今までよりも低年齢層と関わりやすい層が大手を振って嗜めるようになってしまうとこれはもっと低年齢に影響が出てもおかしくない

そもそも、飲酒や喫煙は身体に、特に成長期である頃なんかには悪影響が顕著に出てしまうということで、じゃあ「成人」までは禁止という面もあります。

であれば、まさに成長期である14~17歳辺りまでと関わりやすい高校生の段階で合法化してしまうのは・・・まあもう悪用される前提ですけれども・・・頂けないかなと思うのです。

こういう現状で悪用を抑え切れていない状況がある場合は、まず悪用される前提で、悪用されても被害が少なくなる方向で考えるべきだと、僕は考えますね。

 

3.成人式の問題

成人式がどうなるのか???

・・・正直どうでもいい(ハナホジ)

けれども、華やかな場ってのはパリピや思い出を大切にしたい人にとっては重要なのでしょうな。

18歳で行うとすると受験などもあってちょっと大変だし、それに、その時に19歳や20歳の人はどうなるんだって話ですよね。けれど、現行の20歳で行うのであれば成人式ってのがちょっと名が体を表してないことになる。

まず18歳と20歳のどちらで行うかはっきりさせるべきですよね。

なんだか着物業界が18歳成人式になると学費とかで財布のひもが固くなるから・・・のようなこと言っていますけれど、ぶっちゃけ今の親世代であれば成人式に娘の晴れ着を見たい一心で買うって状況は変わらないと思います。

親は大抵、子どものこと、特に記念日に関してはガバガバですよ。大学でバイト頑張って自分で用意していた層がいなくなるって問題に関しては、自分で用意できなかった層が親世代に用意してもらえるってことで代替されるかと思いますね。

んで、18歳成人になった場合、成人式は2年間だけ2回するか、それか2年間だけ18歳と20歳を同時に行うってのはどうでしょうかね。19歳って微妙な年齢で悶々とすることもないし。

あとは・・・成人の日を別日にするのはどうか。成人だからと言って、成人年齢を変えるのであれば別に元服」にこだわる必要もないと思うんですよね。

そうすれば成人式の日もずれて、高校受験などが終わった後にすれば皆満足かと。

 

4.まとめ

・成人という言葉でなく、制度的な意味から考えるべき

・成人式は・・・うん、なんか、頑張れ

以上です。

成人って言葉に引きずられる形で、今まで20歳からできたことを18歳に一律に引き下げようとするのはどうかと思いますね。

そうではなく、それがなぜ「20歳」となっているのかの意味を考えた上で、悪用される前提で被害が少なくなるように設計すべきです。

成人式は・・・うん、なんとか頑張ってね。

それしか、言葉が浮かばない・・・。